当たり前の積み重ねを
大切に
~DASHING DIVA
代表取締役 池田麻季~
 

世界最大のネイルメーカーが展開するネイルサロン、DASHING DIVA (ダッシングディバ)。現在世界6カ国、日本国内では50店舗以上展開しており、ハリウッド女優をはじめ、ニューヨークセレブ愛用のネイルブランドとして、各国のファッション雑誌に多数取り上げられるなど、人気・知名度共に抜群。その規模をまとめあげている日本法人の代表である池田さんは、数年前までは現場のネイリスト。短期間でキャリアアップをしてきた池田さんの仕事に対する考え方やダッシングディバの魅力について伺った。

ネイリストになろうと思ったきっかけは何ですか?

大学を卒業して一般企業の事務職としてキャリアをスタートしたのですが、同じ作業を繰り返して行く仕事が単純すぎてすぐに飽きてしまいました。自分の人生の中でこの時間に何の意味があるのだろうと考える様になって。人生の中でも仕事に費やす時間は長いので、本当にやりがいのある事を仕事にして、仕事を通じて達成感を味わいたいと思って、入社して1年半で転職を決意しました。

入社したばかりで決断されたのですね。

勤務時間は守られていて、土日休み。収入も安定していたので、環境面においては申し分無かったかと思います。ただ、何が幸せか、そして何がストレスになるかは人によって異なります。私の場合は、ルーティンで淡々と事務作業を行う事が、自身の幸せには繋がらないとわかったので迷いは無かったですね。

その中でネイリストを目指したのは何故ですか?

何か手に職をつけたいと漠然と考えていたんです。幼少の頃から絵を描く事や細かい作業が好きだったので、それを活かしたいなと思っていました。ただ絵を描く事だけだと趣味になってしまうので、ネイルであればネイリストという道があるし、始めてみてそれが自分にあったら進んでみようという想いで、事務職の仕事を続けながらスクールに通い始めました。当時は転職目的で技術習得の為にスクールに通う場合、大体どの分野でも100万かかるんですよね。ネイルスクールもそれは同様でした。なので、それだけの投資をしたからにはしっかりとリターンを得ようという気持があり、ネイリストへの道が開けていきましたね。

ネイリストとしてどのようなキャリアを歩んでこられたのですか?

ネイル業界で働き始めてから今年で11年目です。個人サロンのネイリスト、チェーン店の店長、スクール事業の責任者、スクールの講師、エリアマネージャー、と経験してきました。その期間で4回転職をしています。

沢山の会社を経験しているんですね。

それぞれのフェーズで自分が実現したい事が明確にありました。それが叶えられた時、また次の目標が生まれてきます。そして、それを達成する為に、自分の能力を伸ばす事を第一に考えると、環境を変えた方が早いという結論に至りました。現状維持が好きではないのです。

そこから現在の取締役という立場になられた経緯を教えて下さい

ダッシングディバの旗艦店である汐留店の店長として勤務後、店舗拡大に伴いエリアマネージャーという役職が出来ました。それを機に、エリアマネージャーに昇進したのですが、店舗拡大の計画に対して人の採用・教育が追いついていない状況が続いていた中で講師の資格をもっていた私に声がかかり、教育部門専任のマネージャーになりました。人材育成と採用に力を入れる様になり、人員充足や研修等で評価を頂いた事がきっかけで前任の社長が退職になったタイミングで推薦頂き取締役になりました。

ダッシングディバの魅力を教えて下さい

「頑張る女性に元気を!」がダッシングディバのミッションなのですが、そのミッションを実現させる為に私達自身が結束している事ですね。 前任の代表が私を取締役に推薦して下さったのもその理由です。当時は店舗が増え、スタッフ一人一人の負担が急激に増していた時期で、現場と本部に溝が生まれていたんですね。そこで、「現場から上がってきたネイリストが代表になる事で結束を深める」という意図がありました。なので、就任してからは「横の繋がり」をいかに強めていくかを常に意識しています。当時は散り散りだったエリアマネージャーが毎日顔を合わせられる様にフロアを作ったり、店長会を適宜行い、スタッフの頑張りを皆で共有・共感する時間を増やしたり、ソフト・ハード面双方で改善を図っています。共有・共感は女性をマネジメントする上では非常に大切ですね。結局は人と人。相手を共感出来ると信頼が生まれ、「もっとがんばろう」という活力が生まれます。ちなみに、明日はスタッフと女子会です(笑)

ネイリストとして技術を磨く上で心がけていた事はありますか?

「謙虚」でいる事ですね。技術を教わる時は、その先生に気持よく教えてもらう事が大切だと思います。教える側が気持の良い環境を作る事で先生の技術を最大限引き出せるはずです。先生に教えてもらう時間というのはその時間だけではなくて、過去の経験・積み重ねを含めて教えてもらっているので、ありがたく思わないといけないんです。常に謙虚な姿勢を保つ事で、周囲のサポートを受けやすくすることが、技術を磨く上では大切です。仕事もそうですよね。あとはやはり目標設定ですね。自分がやりたい事、なりたい姿をはっきりさせて、その差を埋めていくためにどうしたらいいかを考え計画に落とし込んで取り組んでいく事。それが出来ればあとはやるだけです。ただ、中にはその目標設定、計画が立てられない人がいます。そういう人には、「目を養う事」を薦めています。 奇麗だなと思うモノを沢山見て、イメージを膨らませるんです。 技術がおいついてなかったとしても、こういう作品を作りたいというイメージさえ沸く事が出来れば、手段を考えられ、いずれ埋める事が出来るんです。自分の技術と理想の形に「差」を感じられるかどうかが大切です。

大きな失敗や挫折はありましたか

ところどころで落ち込んだりはしますが、そこで落ち込んでいても仕方が無くて、具体的な解決策って何だろうって考える様にしています。技術が出来なくて落ち込むスタッフもいますが、落ち込んでいても仕方が無いんですよね。落ち込みを解決するには練習しかないのです。そういう姿勢だったので、練習量、行動量は人一倍多かったと思います。これは今の立場になっても同じ事なのですが、上手く行かない、結果が出せないのは自分のせいだと常に思っています。ただ、出来ないものは出来る様にするしかないので、わからない事は当たり前ですが聞く様にしています。そこには地位も役職も関係ないですよね。ネイリストの時も、今も根本的な考え方は変わっていなくて、恥を承知で聞く。聞かない事で出来ない事の方がよっぽどリスクが高いですからね。

ネイル業界の現状をどのように捉えていますか?

ネイル業界の現状は厳しいですし、この状況は今後も続くと考えています。参入障壁が低かったり、ジェルのサロン利用率が増えていないという点も課題ですね。そういう状況を打破する為に、もう少しお客様が気軽に通える様なサロンにしたいと持っています。ダッシングディバはニューヨーク発祥のサロンですが、ニューヨークではお客様がサロンに行く事自体が習慣化されているんです。もっと利用率が高くなり、色々な客層な方がネイルを楽しんでもらえる様になるといいですよね。その為に、サービスの質を更に向上させる事を意識しています。スタッフの接客面においても美容室で受ける接客に比べるとまだまだ足りないと感じる事も多いですし、接客・技術共に質を上げていき、お客様に還元していきたいと思っています。

働く女性にメッセージをお願いします

今私は取締役という立場ですが、ハングリー精神がそこまである人間ではないんです。その代わり、自分の中で「こうありたい」というイメージが明確で、それになる為の行動が明白でした。それに向けて日々真面目に仕事をしていたら、結果が後からついてきた感じです。まさか社長になるとは思っていませんでしたけど(笑)日々の頑張りは誰かが見てくれていると改めて感じました。なので、仕事で悩んでいる人には、明確な目標を持ち、謙虚な姿勢で、当たり前の積み重ねを大切に日々を過ごしていけば、沢山のサポートを得られておのずと良い方向へ導かれる。という事を伝えたいですね。私もまだまだこれからです。

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