失うリスクを考えず、やりたい事を貫いた
~atelier haruka スーパーバイザー 野田桂香~
 

大学を卒業後アパレル業界でキャリアをスタートしたものの、短期間で退職しネイリストの道を歩み始めた野田さん。トータルビューティサロン「アトリエはるか」に入社し、在籍5年間で数店舗の店長、エリアマネージャー、スクール事業募集担当、教育部とキャリアを積み現在はスーパーバイザーとして数店舗の管理をしている。入れ替わりの激しいネイル業界の中で順調にキャリアアップをしている彼女がどんな想いで働いているのか。アパレルからネイル業界へ転身した理由や、アトリエはるかの魅力、将来のビジョンを聞いてみた。

ネイルを始めたきっかけを教えて下さい。

大学を卒業して百貨店の販売員として働き始めたのですが、入社前に抱いていた「やりたい」と思っていた事と、入社後に待っていた現実にギャップがありました。それに加えて職場の人間関係が劣悪だったのもあり色々悩みはじめて。そんな時に友人が「ネイルサロンに行くと気分が変わるよ」と言って誘ってくれたんです。そこで担当して下さったネイリストさんに悩みを相談していたら、「実は私も以前は別の仕事をしていて、転職してネイリストになりました」「そんなに環境が良くなかったら、我慢して働く必要はないんじゃないですか?」と言ってくれて心が軽くなった。 爪がキレイになって、心も洗われて、ネイリストって凄くいい仕事だなあと思って、早速その日の帰りにネイルスクールに資料請求してました(笑)結局百貨店の仕事は入社3ヶ月で退職し、ネイルスクールに通いはじめました。

思い切った決断でしたね

学生時代にカウンセラーになりたいと思っていた時期があって大学で心理学を専攻していました。当時はゼミの先生に「あなたはカウンセラーに向いていない」と言われてその気持ちは封印したのですが(笑)ネイルの仕事ってカウンセラーに近いなと感じたんですよね。形は異なっていても、もともとやりたいと思っていた事だったので、やってみたい!という気持ちが強くなりました。

迷いはありませんでしたか?

会社を退職するという事に迷いはありませんでした。ただ、ネイルスクールに見学に行った際に、入学担当者の方に「目標が定まっていない」と一度突っ返された事がありました。「入社三か月で会社を辞めて勢いで何かを始めても、新しい環境で今と同じ様な状態になった時に、同じ様に辞めてしまう。だから一度冷静になってしっかり目標を定めてからまた来て下さい」と言われました。これをきっかけに自分としっかりと向き合ってネイルを勉強する、そしてネイリストになる覚悟を決めました。なので、スクールの担当者の方には本当に感謝しています。目先の売上を考えたらすぐにでも入学させたいと思うはずですが、本当に私の事を考えてくれていたからこその提案だったので、嬉しかったですね。

アトリエはるかとの出会いは?

ネイルスクールで求人を見つけて、応募しました。3級の資格を取ったらネイル浸けの生活をしたいと思っていたので、ネイルスクールに通いながらアルバイトで始められるアトリエはるかの求人の条件と合致しました。それと、全国に店舗があるというのも決め手だったかな。沢山の人と関われた方が自分自身の成長に繋がると思っていたので。

アトリエはるかの魅力って何ですか?

一番は「人の良さ」ですね。社風でもあるのですが、人に対して徹底的に向き合うんです。働き始めた頃は技術を1日でも早く覚えようと仕事が終わった後に練習をしていたのですが、いつも遅くまで付き合ってくれていました。 お客様に施術を始めたばかりの頃、私の接客に対して、お客様から大きなクレームを頂いた事がありました。その時直属の上司が「私の責任です」とかばってくれた。以前の職場であれば考えられなかった事だったので、とても感動したのを覚えています。その時に「この人の助けになりたい」と思い、社員になる事を決意しました。 このように相手を思いやる気持ちを持っている方が沢山いる職場です。あとは、役職関係無く、下からの意見を取り入れてくれる制度がある点も魅力ですね。月に1回、自分のやりたい事や職場に対する改善点を書く「夢シート」というものを本部に提出する機会があります。実際に、その意見を取り入れた制度が生まれたり、自身のキャリアビジョンに合わせた異動に繋がったりします。私がアルバイト時代に書いた提案が採用されて、今でもサロンのサービスに反映されているのですが、これは嬉しかったですね。

数店舗の店長、エリアマネージャー、教育部、SVと、沢山のポジションを経験されています。

何かを成し遂げたり、逆に思いとどまっていると上の方から次のミッションがふってきます(笑)店長として一つの店舗で慣れてきたと思ったらタイミング良く別の店舗へ異動になったり、店長としてのキャリアに疑問を持ち始めた頃にスクール講師のポジションに異動になったりしています。良く見ていますよね。店長時代は、元来負けず嫌いな性格なので、店舗の予算を達成させる為に必死で働きましたし実績は出していたのですが、ネイリストとしての技術、センスに限界を感じ始めていました。その反面、スタッフへの教育には人一倍力を注いでいて、それを評価して下さっていたのもあり、「会社のスクール講師にならないか」と声をかけて頂き、異動する事になりました。先程話した「夢シート」で自分の希望を書いていたので、それぞれに合わせたステージを考えて下さっているのだと思います。沢山のポジションがあるのは、大手ならではですよね。

負けず嫌いな性格なのですね。

自分がやると決めた事に対しては、絶対に負けたくないという気持が強いですね。ネイルスクールに通っていた時は、技術が上手くいかない事が悔しくて、いつも一番前の席に座って質問したり、相モデルになったり、スタッフの方を見つけては声をかけて話をしていました。先生達から見たら面倒くさい存在だったかもしれませんね。

体育会系の匂いがします(笑)

そうかもしれません(笑)幼少の頃から色々習い事をやらされていたのですが、塾で先生の言う事を聞かず走り回ったり、さぼって遊びに行ってしまったり、それは大変な子でした。バイオリン、ピアノ、習字、水泳どれも続かなくて、母親から「あなたは何をしても続かない」と言われた事がとても悔しくて、「だったら、自分でやりたいと思った事をやる」と決意し、中学時代にテニス、高校時代にバレーボール部のマネージャーを徹底的にやりました。特にバレーボール部のマネージャーはきつかった。全国から優秀な選手が集まってくる様な名門校だったので、厳しい世界でしたね。そこで学んだ「気遣い」「チームワークの大切さ」「忍耐力」は今の仕事でも活かされています。

今後のビジョンは?

今はスーパーバイザーに赴任したばかりなので、とにかく今の仕事をやりきる事ですね。慣れてきて感覚を掴んでくると、また先が見えてくるので。実は、辞令を受けてから1ヶ月は保留にしていました。認定講師の資格を取って、教育の分野を追求して行きたいと思っていたところだったので、今回の異動は自分のビジョンとはちょっと異なっていた。ただ、会社から現場のマネジメントで力を発揮して欲しいと声をかけて下さる事自体、自分を必要とされていているという事ですし、悩んだあげく、腹をくくりました。初めは本当に嫌でしたけど(笑)実際に働きはじめてみると、スーパーバイザーという仕事は管理職なので、いかに店舗が良い状態を保っていくかを裏からサポートする仕事がメインなのですが、もともと人や組織をうしろからサポートする事が好きだった私には、とても向いている仕事なんじゃないかと思い始めています。やってみないとわかりませんね。

話を聞いていると、とても生き生きしていて仕事が好きだというのが伝わってきます。

仕事という感覚が無いかもしれません。自分の生き方、人生そのものです。私は変に真面目なところがあり、一つの事を取り組み始めると周りが見えない程に没頭してしまうのです。なので、仕事もプライベートも全部一緒。それが楽しいし、全く苦になりません。仕事は義務ではないと思っています。

理想的ですね。退職をきっかけに好きな事を始めてそれで生計を立てられている野田さんの考え方や歩みは、仕事で悩んでいる人の励みになります。

単純に好きな事をやったらいいのではないかと思います。どんな事であれ、好きな事を追求していったら、それが仕事になるはずです。それでも躊躇してしまう人は、ある程度の収入があって、それを失うリスクを考えてしまうと思うんですが、本当になりたい、やりたいと思ったら給料なんてどうでもいいと思うはず。私は百貨店の販売員を辞めてネイリストを始めた頃は、時給750円でした。大学生のアルバイトよりも低い金額でしたけれど、それでも楽しかった。それって、本当にやりたい事をやっているからだと思うんです。お金に執着せずに、目先の事を考えずに、本当に好きだと思える事をやる。お金はあとからついてくるはずなので。

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